シネはピアノ塾を開いた。今や通帳にはわずかなお金が残っただけだが、彼女は隣人に「良い土地を紹介してくれ」と自身満々に新生活を始める。死んだ夫の故郷に、ポツンと定着した母と子を不憫に思う人々に「私は、一つも不幸じゃないわ」と話しさっそうとふるまうが、そんな中息子ジュニも失う。かくれんぼがとても好きだったあの子は、そして永遠に姿を消してしまった。
円を描く様に、彼がクルクルと周辺を回り始める…
友達好きで、喫茶店の女の子のスカートの中が気になるジョンチャンは、密陽(ミリャン)で暮らそうとソウルから引っ越してきたシネに出会う。住む家を探してあげ、ピアノ塾の雑用も気遣い、彼女にくっついて土地を見て歩きながら、彼の一日の日課が始まる。時おり出る突発的なヒステリックや、滔々として意地っ張りの様なその女性は、自分に関心を持つのはやめてくれと、彼を突き放す。それでも…何故か彼女が気にかかる。
こんな愛情もある…!
彼女には残ったものがないようだ。泣いて泣いて…ただ一人で吐くように泣いている。すべての事を忘れたいが、すべての怨望をなおざりにしたいが、できない。そして今、彼女は闘うために彼女だけの逸脱を始める。今日もジョンチャンは、そんな彼女の周辺をクルクルと回っている。すべての愛を無くした女性と、自分の気持ちもよく分からない俗物のような男。彼らは今、どうしているだろうか? 果たして、彼らは共に探せるだろうか? 愛は…芽生えるのだろうか?
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