1997年『ナンバースリー』で“興行俳優”としての第一歩を踏み出した演劇俳優出身のソン・ガンホは、大学を中退して軍隊に行った後の1991年、演劇界に跳びこんだ。映画はホン・サンス監督の『豚が井戸に落ちた日』で脇役として出演しながら始めたが、実際のデビュー作は『グリーンフィッシュ』で、イ・チャンドン監督が彼が出演した演劇『蜚言所(ピオンソ)』を見て電撃キャスティングしたという。
本当のやくざではなかったのかという質問をされる程にリアルな演技を見せた彼は、この映画を始まりに本格的な映画俳優の道に入った。身勝手な組職のボス役を引き受けてコミカルな演技を見せた『ナンバースリー』の公開後、コメディアンと一般人の間で劇中の彼の台詞を真似るのが流行した位“ソン・ガンホシンドローム”を引き起こした。
この時まで、彼が韓国映画界を代表する俳優になるなんて誰も思っていなかった。数多くの映画に出演しながら自分だけのカラーを探し求めていた彼にとってパク・チャヌク監督の映画『共同警備区域JSA』は、彼を大韓民国最高の俳優という認識を大衆に確実に植えつける作品になった。真剣ながらもどこかユーモラスな彼だけのオーラが光っているオ・キョンピル中佐役を演じ、演技派俳優から興行俳優としての名声も得ることになった。2003年に出演した『殺人の追憶』も作品性と興行性が認められ、ソン・ガンホはもう一度、韓国映画界で独歩的な位置を押し堅めた。
現在、韓国を代表する演技派俳優ソン・ガンホはハリウッドのスーパーヒーロー的な俳優とは違う親しみのある英雄のキャラクターとして演技力を披露する。普通人の中で輝く小市民的英雄。最新作『グエムル-漢江の怪物』に至るまで、ソン・ガンホは出来る範囲内で最高の演技を、韓国映画史に永遠に残るような独特のキャラクターを演じている。カンヌ映画祭でも絶賛を受けた作品『グエムル-漢江の怪物』。その映画の中で韓国政府もそっぽを向いた怪物との死闘で隠されていた超人的な能力を発揮する父親になったソン・ガンホ。黄色く髪を染めて1年以上『怪物』でのキャラクターになりきっていた演技派俳優ソン・ガンホの今後の活動も期待されている。
この時代最高の俳優ソン・ガンホ。彼は一番平凡な言葉ひと言にもエネルギーを吹き込めて、一番日常的な瞬間でも笑いと感動を導き出す能力を持った俳優だ。不慣れな姿に変身して観客を笑わせながらも、心をゆさぶらせる。台詞の中のひと言を忘れられなくしてしまう、すごい能力。自分に与えられた脇役の機会を、助演の機会をそのまま逃すことをせず、最善を尽くす姿勢で最高の演技を見せたソン・ガンホ。「スターではない、本当の俳優になりたい」という謙遜さまで備えた彼は天上の俳優だ。
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